法政大学経営学研究科であなたは何を学べるか! 第1弾
シリーズ「法政大学経営学研究科であなたは何を学べるか!」では,法政大学経営学研究科への入学を検討している皆さんへの教員からのメッセージをお届けします。
第1弾は,人材・組織マネジメントコースの佐野嘉秀教授とアカウンティング・ファイナンスコースの川島健司教授からのメッセージです。
私は大学院では人的資源管理論を担当しており、人事管理の広い領域を体系的に学ぶような授業を提供しています。研究テーマも広めですが、なかでも長く取り組んできたのは人事管理の日英比較です。先行研究は英国と日本の人事管理が似通ったものになること、つまり「収斂」を予想していましたが、はたしてどうか。日英の百貨店のフィールドワークから、現時点での検証に取り組んできました。その成果は『英国の人事管理・日本の人事管理:日英百貨店の仕事と雇用システム』(東京大学出版会、2021年刊)にまとめました。この研究はずっと前から進めてきたものですが、ちょうど実務の世界では「ジョブ型」というかたちで、英米をイメージした人事管理を良しとする議論がさかんとなっています。基礎研究としてあまり実務への貢献は意識してきませんでしたが、はからずも本家本元の「ジョブ型」の人事管理を日本との比較から示す研究となりました。「青い鳥」はいないことなど、結果として実務に貢献する事実発見になっていると思います。授業ではもちろん、こうした研究成果を踏まえつつ、社会人の院生のみなさんと人事管理の実践につながる議論を行い、私も新たな学びを得ています。
(人材・組織マネジメントコース 佐野嘉秀教授)
経営大学院で学ぶ意義とは何でしょうか。実務上の課題を学術的に考えること、これまでの実務経験を体系立てて見直すこと、会社の垣根を越えた人的交流を図ること、最新の経営理論やスキルを習得して今後のキャリア形成に活かすことなど、様々な意義が言われています。しかし、私はある社会人大学院生が本学を卒業した際に言われた言葉が印象に残っています。
「ここに来るたびに、日々の仕事を忘れて純心になれて、生活が豊かになりました。」
一切の利害関係がない学友が集い、純粋な学問としての経営学を探究することは、ある意味で唯一無二の非日常的な体験が得られる場であると言えます。リフレッシュした気分で職場に戻られると、これまでの職場の風景が違って見えてくるかもしれません。
スピードや効率、無駄のないスマートさが求められる時世ですが、2年もの時間をかけて日常とは異なる場に身を置くことで、実は経営学の学びを超えて、最終的には自分自身について見つめ直し、深く理解していくことになります。それは本当に贅沢で充実した時間の使い方であり、今後の生活の糧になることと思います。
(アカウンティング・ファイナンスコース 川島健司教授)